What's ASTINA?
アスティナって知ってる?


3. Mechanism
次は、アスティナの内部に迫ってみることにします.

Engine
アスティナの心臓部となるエンジンは、1500cc〜1800ccまで、4種類が存在しました.

まずは、前期型の3種類のエンジンについての解説です.


B5型 1500DOHC 110ps
(プラグコードは社外品)
エンジン一覧(前期型)
エンジンB5・直列4気筒SOHCB5・直列4気筒DOHCB6・直列4気筒DOHC
総排気量1498cc14981597
ボア×
ストローク
78.0mmx78.4mm78.0x83.6
最高出力(NET)91ps/6500rpm110/6500130/7000
最大トルク12.4kg-m/4000rpm12.9/550014.0/5500
燃料噴射装置電子制御フイード
バックキャブレター
EGI
燃料無鉛レギュラー無鉛プレミアム
10mode燃費15.6km/L(MT)
13.0km/L(AT)
14.0(MT)
11.4(AT)
12.4(MT)
10.6(AT)


1500cc(SOHC) 91馬力
これは普及型エンジンですね. ファミリアシリーズは、最も廉価なグレードに1300ccを 用意しているのですが、アスティナには、この1500cc SOHCエンジンが与えられました.  スポーティなクーペボディには、1300ccはあまりにも非力すぎたのでしょう. 

最高トルク発生回転数が他のエンジンよりも低い事から、AT向きのエンジンだという 事が想像できます.
実際にATとの組み合わせで乗って見たことがありますが、スポーツ走行するには力不足な ものの、日常の使用に必用にして充分のトルクがありました.



1500cc(DOHC) 110馬力
アスティナシリーズのメインとなるグレードのエンジンです.
私が乗っているアスティナは、このエンジンを載せてますが、回転数がトルクバンド(3500rpm以上)に 入っていれば、アクセルを床まで踏み込むと一瞬のうちにレブリミットの6700rpmまで吹け上がります.
サウンドも適度に大きく、適度に低音が効いていて、気持ち良いエンジンだと思います.
ホンダのVTECや三菱のMIVECと比べると明らかに力不足ですが、モータースポーツの世界で1/100秒を 争うクルマでもないので、この位のパワーで充分でしょう.
レブリミットは6700rpm.  もしも8000rpmまで回ってくれれば、もっともっと気持ち良いエンジンになるんですけどね〜.



1600cc(DOHC) 130馬力
初期のアスティナの最高グレードのエンジンです. ユーノス・ロードスターと同じエンジン なんですけど、こちらはプレミアムガソリン指定になっているので、10馬力高出力です.
また、マツダお得意の「可変吸気システム」を採用しています. ホンダのVTECとは根本的に異なる 仕組みで、回転数によって2つの吸気ポートを使い分ける技術です.
低回転からトルクフル、しかもレブリミットの7500rpmまで良く回るので扱いやすいエンジンです.



中/後期型 3タイプ
読者のちゃうりひさんとひろせさんのご協力により、中/後期型アスティナの資料を入手しました.
私が実際に回して見た訳ではないので、スペックの違いについてのみ解説します.
ちなみに、中期と後期型のエンジンは、全く同スペックです.

エンジン一覧(中/後期型)
エンジンB5・直列4気筒SOHCB5・直列4気筒DOHCBP・直列4気筒DOHC
総排気量1498cc14981839
ボア×
ストローク
78.0mmx78.4mm83.0x85.0
最高出力(NET)94ps/6500rpm120/6500135/7000
最大トルク12.5kg-m/4000rpm113.5/550016.0/4500
燃料噴射装置EGI-SEGI
燃料無鉛レギュラー
10mode燃費15.6km/L(MT)
13.2km/L(AT)
14.0(MT)
11.4(AT)
11.6(MT)
9.8(AT)
まず、1500(SOHC)は、電子制御キャブレターからEGIに変更になりました.
1500DOHCは、1600DOHCと同じメカニズムの「可変吸気システム」を搭載して、10馬力アップしています.
そして、従来の1600DOHCに変わって登場した1800DOHC.  アスティナの兄弟車「ユーノス100」には、最初から設定があったエンジンで、スペックも全く同一です.
また、1600DOHCと違って、レギュラーガソリン仕様になってます.



Suspension
アスティナはオーソドックスなストラット型のサスペンションを使用しています. 
ストラット型は、ショックアブソーバーがフル伸縮した時にアライメントの変化があり、 シビック等に使われているダブルウィッシュボーン型の方が、理想に近いと言われて います.
しかし、サスペンションの能力の一つに、ストロークの長さも重要なファクターがあり、 この点ではストラット型の方がダブルウィッシュボーンより有利らしいです.(^^;

アスティナの足回りは、全体に堅目なセッティングで、路面の凹凸をコツコツと良く拾うのですが、 良く動いてくれるので、ロールすべき時にはロールし、フロントに荷重を移したい時にはきちんとノーズ ダイブして、しっかり荷重をかけられます.

結果として、良く曲がるクルマに仕上がりました.

↑フロント リア↓


また、アスティナのサスペンションの大きな特徴に、「キャンバーコントロール」があります.
フロントストラットマウントのゴムブッシュの剛性配分を工夫して、ステアリングを切り込む につれて、キャンバー角がネガティヴ側に増大する機能で、強引に「曲げる」の新兵器でした.(^^;
ただし、相対的にリアの抑えが甘いので、コーナーリング中の急激な荷重移動では 急激なオーバーステアが発生するとの情報もあります.



Brake system
次に、足回りのもう一つの主役、ブレーキ系についてですが、これにはあまり特筆すべき点は ありません.
1500系は、フロントがディスクでリアがドラム式. 1600,1800DOHCは4輪ディスク式です.  (1500DOHCでも、AT車は4輪ディスクになります)
スポーティなクルマは4輪ディスクが主流です. ドラム式は、放熱が悪いとか微妙な コントロールが難しい等の欠点がありますが、モータースポーツで長時間酷使するので ない限り、アスティナ位のボディ重量ではリアがドラム式でも全然問題ないでしょう.
これは、ブレーキング時には荷重がフロントに集中するので、リアのブレーキにかかる 負担が少なくなりますし、絶対的な制動力に関しては、ディスクもドラムも大差ないからです.

また、中期型から、1800DOHCは4輪ABSを標準装備、1500DOHCにもメーカーオプションで 装備できるようになりました.


Authored by Hisashi Nakahara, 1998